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おたふくかぜの正式名称は流行性耳下腺炎(りゅうこうせいじかせんえん)と言います。 耳下腺の腫れや痛み、発熱を主体とする症状がでて、小児によく見られます。 基本的には両側の耳下腺が腫れるのですが、片側だけの事もあります。 こういう事は知らない方もいらっしゃるとおもいます。 その為、今回はおたふくかぜについて詳しく書いてみたいと思います。
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おたふくかぜの診断について
おたふくかぜは耳下腺の腫れ、痛み、発熱を伴うことが多いのですが、子供だと耳が痛いという場合も多く、中耳炎を疑い耳鼻科に受診する場合も多いです。
耳鼻科ドクターも腫れた耳下腺を触ればおたふくと診断出来るので、心配することはありません。
この痛みや発熱は大体1週間で軽くなると言われています。
診断手順なのですが、
多いのは耳あたりの痛みや発熱により受診します。診療科は耳鼻科でも小児科でも大丈夫です。
↓
耳下腺を触り、腫れがあるかないかを判断。腫れが無ければ耳を見て中耳炎などを見ます。
↓(腫れがあった場合)
流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)と診断されます。
↓(経過段階)
高熱が続いたり、頭痛、吐気、嘔吐→この様な症状がない場合は様子見
↓あった場合
項部硬直を診断→項部硬直がない場合。外来経過で様子見や点滴
※項部硬直(こうぶこうちょく)とは簡単に書くと髄膜炎を診断する際にみる場合が多いです。
↓あった場合
髄膜炎を併発している。
↓
入院し腰椎穿刺します。
※腰椎穿刺(ようついせんし)とは簡単に書くと髄液をとり診断するために腰椎に針を刺すことです。
※腰椎穿刺は入院して行うほうが良いとされています。滅菌状況など色々考慮すると入院施設のある病院で行うことが望ましいです。
怖いことを色々書きましたが、これがドクターが診察する際の手順になります。
ここまでの症状になることは稀ですが、10%くらいに髄膜炎の合併症が見られると言われています。
その他の合併症については後ほど記載させて頂きます。
おたふくかぜの治療や薬の事について
おたふくかぜはかかった事がある方ならわかると思いますが、治療薬がありません。 ただ、解熱・鎮痛の目的の為にカロナール(アセトアミノフェン)を処方する場合が殆どです。 他の治療薬は基本的に用いません。 確定診断が出るまでに、抗生物質など服用している事もあるかもしれませんが、意味が無いので服用しません。 痛みがあまりにも強い時はシップで腫れを抑えることもあります。(冷やすのと炎症を抑えるのと両方の効果を狙っています。) ここまでが治療や薬の事になります。 基本的な治療になるのですが、おたふくかぜの場合は「安静にしていること。」 これが一番の治療になりますので、安静にするようにして下さい。
おたふくかぜの合併症について
おたふくかぜの合併症として大きなものは3つあります。 ①髄膜炎 先程も多少書きましたが、髄膜炎の合併症が10%くらいあります。 高熱、頭痛、吐気、顔面蒼白などの症状がでます。 特に頭痛はびっくりするくらい鋭い頭痛なので、早めの受診をお願いします。 治療としては、数日入院は必要になりますが、輸液をしばらく入れると良くなります。 ②精巣炎(女性は卵巣炎を起こすことがあります。) 大人の男性がおたふくかぜになると20~30%くらいで精巣炎を合併します。 症状は子供よりもひどく、40度前後の高熱や頭痛、吐気も伴います。 腫れは個人差が大きく、歩くのもままならない状況になる場合もあります。 しかし、これといった治療法がある訳でもないので、安静にしているのが一番になります。 世間では、この精巣炎により精子への影響がでて、不妊の原因になると言われていますが、多少その可能性はあるかもしれません。 しかし、物凄く低い確率ですのであまり心配されなくてもいいですが、予防接種はしておいた方が良いと思います。③難聴 あまり言われていないのですが、物凄く稀に難聴になってしまう場合があります。 1%以下ですが実際にいらっしゃいます。 治療法もなく、自然に治癒することもないです。 この難聴も予防接種により予防できると言われています。 ここでは合併症について色々書いてみました。 これらの合併症を回避するためにワクチン接種を薦めます。 次はそのワクチンについて書いてみたいと思います。 ![]()
おたふくかぜのワクチンの有用性について
ムンプスワクチン(おたふくの予防のワクチンの名前です)を2回接種することをお薦めしています。
予防接種をすることで、髄膜炎、精巣炎、難聴の発症予防にもなるのでオススメします。
1歳で1回目を接種して、年長さんで2回目を接種するといいです。
予防接種でおたふくが90%以上の有効率がある上に、かかったとしても軽微で済むので接種されたことが無い方は受けておいたほうが良いと思います。
最後に
今回はおたふくかぜ(流行性耳下腺炎)について色々書いてみました。 結構詳しく書いたつもりですので、参考にして頂けるとありがたいです。 おたふく風邪は治療薬がなく、様子を見ることしか出来ませんので、本当に予防接種をお薦めしています。 自治体によって値段はまちまちですが、1万円はしないと思います。 この記事を読むことで、もし予防接種を受けてみようと思って頂ければ、最寄りのドクターは相談に乗って頂けると思いますので、是非相談してみてください。 参考にしてみてください。
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