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この花粉症の時期になると薬に頼り、症状を軽減される方もいらっしゃるのではないでしょうか。 しかし、花粉症の薬の副作用で太ることがあるということはご存知でしょうか? 実際に昔、抗ヒスタミン剤(ペリアクチンという薬)には体重増加、食欲増進をいう記載がありました。(今は頻度不明になっています。) そこで今回はその花粉症の薬で太ることがあるということに関して書いてみます。
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目次
花粉症の薬で太ることがあるって本当なの?
この花粉症の時期になると薬をのむ方が増えるのですが、その花粉症の薬で太ることがあるという事実について書いてみます。 花粉症は日本ではかなりの患者がいます。 日本人の4人に1人は花粉症と言われていて、約3000万人くらいいると言われています。 症状のきつい緩いはあってもこれだけ患者さんがいますので、薬を飲んで和らげるという方も多いと思います。 しかし、太ることがあるという事は意外に知られていません。 ここでは、その太ることに関して詳しく書いてみたいと思います。
花粉症の薬で太る根拠は?
①抗ヒスタミン剤というタイプの薬の特徴 ②グレリンというホルモンの関係 追記(H28.7.29) もう一つ太る理由で重大な理由を書いていませんでした。 このページを見た医療機関の方から意見を頂き、非の打ち所がありませんでしたので、追記として明記させて頂きます。 ③知覚神経の機能を抑制する作用 この3つの理由になります。 ちょっとだけ専門的になってしまいますが、出来るだけわかりやすく書いてみますので興味のある方は読み進めてみてください。
抗ヒスタミン剤について
まずは、①の抗ヒスタミン剤というタイプの薬の特徴についてなのですが、 この抗ヒスタミン剤というタイプの薬は花粉症ではかなり使われます。 名前は聞いたことあるような薬は大体抗ヒスタミン剤です。 例えば・・・ アレグラ(フェキソフェナジン)、アレロック(オロパタジン)、アレジオン(エピナスチン)、クラリチン(ロラタジン)、ザイザル(レボセチリジン)、ジルテック(セチリジン)、エバステル(エバスチン)、タリオン(べシル酸ベポタスチン)など まだまだいっぱいありますが、これくらいにしておきます。()内は一般名です。 今回、上記に書いた薬は抗ヒスタミン剤でも第2世代と呼ばれるタイプの抗ヒスタミン薬です。 あと、市販薬で結構多く使われているのは、マレイン酸クロルフェニラミン配合の抗ヒスタミン薬です。 医療用だとポララミンといいます。 この抗ヒスタミン薬の作用の1つなのですが、 血液脳関門という所を通り、中枢に入っていく事がある薬になります。 この中枢に入ること脳の活動を抑えられて眠気などの副作用が出やすくなります。 上記に書かせて頂いた第二世代と呼ばれる抗ヒスタミン薬はその中枢に入りにくくすることで眠気などの副作用を軽減した薬になります。 ここから本題になるのですが、 なぜ上記の様な事を先に書かせて頂いたかといいますと、この中枢に入るという事がポイントになります。 この中枢に入ることで、 脳の活動を抑えられ、視床下部という所にある満腹中枢(お腹がいっぱいとサインを送る所と考えて下さい。)への刺激が抑えられるため食欲が増えるという事が考えられます。 その為、お腹がかなり空く人もいると考えられます。 先程も書きましたが、それらの副作用を抑えたのが第二世代と呼ばれる抗ヒスタミン薬です。 ここからは言葉の問題になるのですが、 第二世代の抗ヒスタミン薬は中枢に入りにくくするというだけであり、全く入らないという訳ではないのです。 よって、 副作用的には軽減はしますが、副作用として出ることがあってもおかしくはないと考えれます。 これは添付文書などにも書かれていませんが、 アレグラを飲んでも眠くなる人もいる事を考えると、太るという副作用が出る人がいてもおかしくないでしょうね。
グレリンというホルモンについて
次に、 ②のグレリンというホルモンの関係なのですが、中々聞く機会のない言葉だと思います。 このグレリンというホルモンなのですが、摂食を司るホルモンになります。 これが抗ヒスタミン薬によってグレリンの分泌が促進されると言われています。 このホルモンは、食事を摂る量を増やしてしまうという作用を持つと同時に、体脂肪の利用を抑制する作用を合わせ持っています。 その為、食べる量は変わらないのに太ると言うのはこのグレリンが関与していると言われています。 余談ですが・・・ 睡眠不足が続くとこのグレリンというホルモンが出やすくなります。 逆にしっかり睡眠を取ると、反対の作用を示す、レプチンというホルモンが出やすくなります。 太るのが嫌な方は睡眠はしっかり取るようにしてくださいね。
知覚神経の機能を抑制する作用について
③知覚神経の機能を抑制する作用についてになるのですが、食べ物を食べた後、胆汁が分泌されて、その中の胆汁酸が、小腸の知覚神経を刺激することで、満腹感がでるのです。 抗ヒスタミン剤は、かゆみ止めの作用があることからわかるように、簡単に言えば、知覚神経の機能を抑制する作用があります。 このため、胆汁酸による知覚神経刺激が起きにくくなり、満腹感が出にくくなり、食べ過ぎてしまいます。 この機序もあり抗ヒスタミンは太りやすくなります。 これら3つの理由から花粉症の薬である抗ヒスタミン薬の副作用で太るという理由になります。
最後に
今回、花粉症の薬である抗ヒスタミン薬の副作用で太るということについて書いてみました。 最近、よく医療機関で処方される第二世代の抗ヒスタミン薬についても書かせて頂きましたが、これらの副作用は起こる可能性は低いとは言えます。 しかし、花粉症の方自体が全国で3000万人いると言われていて、薬を服用する人もかなりの人数がいると容易に想像できます。 たとえ100人中1人以下(1%以下)の副作用であったとしても、誰もがその副作用に当たる可能性があるといえると思います。 その為、あらゆる可能性を考える事は必要な事だと思いましたので、今回このような記事を書かせて頂きました。 副作用がない薬はありませんので、薬を飲み始めてなにか変わったことがあれば医療機関で相談するようにしてくださいね。 内容が難しくなってしまい申し訳ございませんでした。
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